内科・消化器内科・循環器内科
糖尿病内科・漢方内科・肛門科
高橋クリニック
群馬県館林市本町2丁目10-3番地

TEL: 0276-75-7772

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  • 東武線 館林駅より徒歩10分
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医院名
高橋クリニック
院長
高橋 常浩
所在地
〒374-0024
群馬県館林市本町2丁目10-3番地
診療科目
内科・消化器内科・循環器内科・糖尿病内科・漢方内科・肛門科
電話番号
0276-75-7772

禁煙外来

タバコによる健康被害

タバコによる健康被害

タバコには5300種類以上の化学物質が含まれており、そのうちの200種類が有害物質です。さらにその中の70種類以上が、発がん物質として分かっています。これらの有毒な物質が、私たちの健康を害していきます。タバコによる健康への悪影響が認知されてくることで、タバコの喫煙率(習慣的に喫煙している人の割合)は年々減少傾向にあります。健康寿命を延ばすためには、禁煙を推進していくことが大切です。

Q&A

Q1 タバコの有害物質を教えてください?

A1 200種類以上の有害物質の中で、代表的な物質についてお答えします。

  1. ニコチン
    ニコチンによって、脳内でドーパミンという物質が増加して快感が得られるようになります。ニコチンが切れてくると、イライラするようになり、ニコチンを求めてタバコを吸いたくなります。このように、ニコチンは非常に依存性が高い物質です。さらに、タバコに添加されているアンモニアは、ニコチンを体内に吸収しやすくして依存性を高めます。メンソールもタバコの不快さを減らして依存性を高め、局所麻酔様の作用によって咳反射を抑えて依存性をあげていきます。
    ニコチンは、動脈硬化を起こしたり、不整脈の原因になったり、糖尿病の発症、悪化に影響したり、胃潰瘍の原因になります。また、こどもの脳の発達への悪影響も分かっています。

  2. 一酸化炭素
    一酸化炭素は、赤血球の中のヘモグロビンと強く結びついて、酸素を運ぶ力を奪います。そうなると、体内の酸素が不足してきます。酸素を運ぶ力を補おうと、血液を全身に送るポンプである心臓に負担がかかり、心筋梗塞や不整脈が起こりやすくなります。酸素不足を補うため、血液が増える多血症になって血液の粘度が高くなると、血栓が出来やすくなり、脳梗塞なども起こりやすくなります。
    また、主流煙中には、数千から1万ppm以上の一酸化炭素が含まれていて、アイドリング中の排気ガスと同じくらいの濃さです。

  3. ホルムアルデヒド
    タバコに含まれる発がん性の高い物質は、ホルムアルデヒドが代表的です。がんだけではなく、色々なアレルギーの原因にもなります。気管支喘息の発症や悪化、シックハウス症候群や化学物質過敏症に関与します。

  4. ニトロソアミン類
    タバコ葉から煙に移行する有害物質で、ニトロソアミンも、タバコと発がんに大きく関わります。
    タールですが、タバコの煙のうち、一酸化炭素やガスの成分を除いた粒子状の成分を合わせたものです。いわゆる、“ヤニ”です。タールには上のニコチンやホルムアルデヒド、ニトロソアミンを含め有害物質が多く含まれています。

Q2 喫煙をしていると、どんな病気になるの?

A2 喫煙と多くの病気の関連性が指摘されています。

  1. 動脈硬化
    喫煙も動脈硬化の原因になります。喫煙によって血管の炎症が起こると、動脈の内側の膜が肥厚して動脈硬化になります。動脈硬化で、血管が硬くなることが、高血圧症の原因にもなります。

  2. がん
    たばこの煙に含まれる発がん性物質により、細胞のDNAの損傷等を通じて、がんの原因になります。喫煙が影響することが分かっているのは、肺がんはもちろん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がんなどです。

  3. COPD
    COPDとは、肺気腫や慢性気管支炎を含めた“慢性閉塞性肺疾患”の略語です。吸い込まれた主流煙は、肺の組織に炎症等を引き起こして呼吸機能の低下の原因になります。喫煙で、気管支が炎症を起こし、進行すると末梢の肺胞が壊れてしまいます。最初は、咳や痰の量が増え、それほど日常生活にも影響は出ません。徐々に進行してくると、階段や坂道がきつくなってきます。動いている時の息苦しさが悪化していくと、やがて、歩行時に酸素が必要になります。さらに進行すると、安静時にも苦しくなり、自宅でも酸素ボンベで酸素を吸入する在宅酸素療法を受けるようになります。COPDになると、肺がんのリスクが高くなることも知られています。

  4. 虚血性心疾患
    喫煙によって、心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患のリスクが高くなります。ニコチンや一酸化炭素、タバコに含まれる有害物質の影響で、血圧上昇、心拍数増加に加え、血栓が出来やすくなるためです。

  5. 脳卒中
    虚血性心疾患と同じように、ニコチンや一酸化炭素、タバコに含まれる有害物質の影響で、血圧上昇、心拍数増加に加え、血栓が出来やすくなるため、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の危険因子になることが分かっています。

  6. 気管支喘息
    気道の過敏性が亢進、収縮するため、気管支喘息が発症しやすくなり、喘息発作も起こりやすくなります。

  7. 糖尿病
    インスリンの抵抗性を上げ、血糖値が下がりにくくなり、発症率が上がります。

  8. 胃潰瘍
    胃粘膜の血流が低下して、胃潰瘍になりやすくなります。

  9. 肝炎
    慢性肝炎の多くは、B型やC型肝炎ウイルス、アルコールが原因です。喫煙によって、肝細胞の炎症、線維化が進み、肝炎や肝硬変に進行しやすくなる可能性があります。

  10. 膵炎
    膵炎の多くは、アルコール多飲や胆石が原因です。喫煙によって、炎症や線維化が進み、慢性膵炎の発症率が上がることが知られています。

  11. 胎児発育不全、新生児異常
    妊娠中の喫煙では、胎盤での酸素供給の減少、有害物質によって、胎児発育不全や新生児異常のリスクも高くなります。

Q3 タバコを吸うとストレスが解消されるますが、ダメですか?

A3 純粋に離脱症状が緩和されただけです。つまり、離脱症状で、“負の状態”になっているだけです。だから、「ストレスがなくなった」とか、「効率が上がった」というのは認識の間違いです。

Q4 “ライト”、“マイルド”は健康的なの?

A4 答えは“NO!”です。ニコチンの離脱症状を緩和させるためには、一定量のニコチンが必要になります。だから、“ライト”や“マイルド”は、軽くて物足りず、本数が増えたり、深く吸ったり、根元まで吸ったりします。むしろ深く吸うので、肺の末梢まで有害物質が行きわたり、肺がんの死亡率が上がったという研究もあるほどです。有害性が低いと誤解されるので使用禁止になっている国もある商標です。

Q5 加熱式タバコは、健康に優しいの?

A5 加熱式タバコにしても、ニコチン摂取量が変わることなく、依存性は続きます。たしかに、加熱式タバコから検出される有害物質は、従来の紙巻タバコと比べて、一酸化炭素など少ないものもあります。副流煙もほとんどありません。しかしながら、だからといって、健康被害のリスクが低いとはいえません。


能動喫煙と受動喫煙

能動喫煙と受動喫煙

タバコ煙には、喫煙者が吸い込む”主流煙”、そして、火のついたタバコの先端から立ち上る”副流煙”、喫煙者が吐き出す”呼出煙”があります。

能動喫煙は、喫煙者が主流煙を吸い込むことです。受動喫煙は、周りの人が副流煙、呼出煙を含んだ煙を吸い込むことです。受動喫煙は二次喫煙(Second-hand smoke)とも言います。

Q&A

Q1 副流煙も健康に悪いの?

A1 酸素が比較的多く温度が高くなる主流煙に比べ、副流煙は酸素が少なく、温度が低くなります。そのため、不完全燃焼となって有害物質が出やすくなります。ニコチン、一酸化炭素、ホルムアルデヒドなどの有害物質は、主流煙の数倍以上になることが分かっています。

Q2 受動喫煙も健康に影響があるの?

A2 喫煙量や室内環境によりますが、喫煙者と同等以上の可能性もあります。大人には、がん、脳卒中、心筋梗塞などへの影響を与えます。非喫煙者の女性の肺がんは、夫が喫煙者だと高いことが分かっています。つまり、非喫煙者の肺がんは、受動喫煙の影響の可能性があります。子供には、乳幼児突然死症候群の危険性や喘息の発症、妊婦には、胎児発育不全や低出生体重児のリスクに関与します。

受動喫煙によって起こる健康被害は、血圧、血糖、コレステロールの生活習慣病とは違って、自分の責任とは関係ない健康被害です。受動喫煙は、タバコを吸っていない周りの人々にも、タバコによる健康被害が他人事ではなくなってくる話なのです。

Q3 三次喫煙とは何ですか?

A3 タバコ煙は、室内のカーテンやじゅうたん等に有害物質を付着させます。この付着した有害物質(サードハンドスモーク)は数か月残存します。これを吸い込んだりすることを三次喫煙(サードハンドスモーキング)といいます。


禁煙外来

禁煙外来

喫煙によって、喫煙者のみならず、周りの人たちの健康が損なわれていきます。特に受動喫煙は、家族、友人、同僚だけではなく、“そばに居合わせた人”の健康を害する可能性があります。だから、禁煙をする事が、健康を守る近道になるのです。
禁煙をしたいと思ったら、ぜひ“禁煙外来”を受診してください。

Q1 禁煙すると、健康は取り戻せるの?

A1 禁煙開始年齢が早いほど、取り戻せる寿命は長くなります。生活習慣を含めて、健康維持に良いことは、禁煙>減塩>運動>節食>節酒、と言われています。

Q2 禁煙治療は難しいの?

A2 たばこは大麻、覚せい剤より依存性強いため、止めるためには、相当な決意が必要になります。禁煙を成功させ、維持することは、なかなか難しいのが現実です。依存には精神的依存、身体的依存があります。精神的な依存にはカウンセリングによる治療、身体的依存には薬による治療が可能です。イライラ、集中力低下、だるさ、不安、不眠などの離脱症状は、最初の数日間が一番強く出ます。これを乗り越えると、離脱症状は、徐々に弱くなり、約3か月で消えます。

Q3 禁煙治療薬について教えてください

A3 禁煙治療薬には、医師による処方箋が必要な医療用医薬品と処方箋が不要な一般用医薬品があります。方法としては、ガム、パッチ(貼り薬)、内服薬があります。また、薬の種類として、ニコチン製剤と非ニコチン製剤があります。

  1. ニコチン製剤
    ニコチンを含んだガムやパッチがあります。ニコチンが、体にゆっくり吸収されるので、離脱症状が軽くなります。

  2. 非ニコチン製剤
    ニコチンが体の中でくっつく場所(受容体)に結合して、ニコチンの結合を妨げます。ニコチンよりも少ないドーパミンを出して、離脱症状を軽くします。

Q4 禁煙治療は保険で出来るの?

A4 次の条件を満たす人は保険適用になります。

  1. ニコチン依存症と診断された方
  2. 35歳以上の場合、ブリンクマン指数(1日の喫煙本数X喫煙年数)が200以上の方
    (35歳未満の場合は、喫煙本数や喫煙年数によらず保険適用になります)
  3. 直ちに禁煙することを希望されている方
  4. 禁煙治療の説明を受け、治療を受ける事を同意された方

ニコチン依存症かどうかは、次のテストで分かります。

TDSニコチン依存度テスト

  1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
  2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか?
  3. 禁煙や本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
  4. 禁煙したり本数を減らそうとしたりしたときに、次のどれかがありましたか?
    (イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
  5. 4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか?
  6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
  7. タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
  8. タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか?
  9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか?
  10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか?

上の10個の質問のうち、5個以上あてはまると、ニコチン依存症と診断されます。

Q5 昔、失敗したけど、また出来ますか?

A5 大丈夫です。再治療は、前回治療開始後1年から、保険適用可能です。

Q6 禁煙治療の副作用はありますか?

A6 副作用は吐き気、頭痛、便秘、不眠、悪夢、抑うつなどがあります。治療中に副作用が出たり、疑わしかったりした時は、主治医にご相談ください。